「演劇で学ぼう」表現する⇆受け止める循環をつくる、アートプログラム

活動報告|2023年1月20日 「学校教育×演劇」を探究するYouTubeミーティング 第3回 を開催しました。

|[活動報告・レポート]

2023年1月20日(金)に、
「学校教育×演劇」を探究するYouTubeミーティング
第3回「高校の探究×演劇の授業について、教えてください!」

を開催しました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。

第3回となるイベントでは、
川島裕子先生(大阪成蹊大学 准教授)
小山宣宏(四條畷学園高校 募集広報部部長)
のお二人にゲストとしてご出演いただき、

  • ◉四條畷学園高校では「探究」のロードマップをどのように描いているのか
  • ◉演劇ワークショップを「探究」に取り入れた理由
  • ◉2022年度に実施した演劇ワークショップの授業紹介と、教員研修の紹介
  • ◉四條畷学園高校における多様な取組の紹介(企業と連携しての活動など)

など、さまざまな話題をお話ししました。

演劇ワークショップを実践した授業紹介では、実際の授業映像を交えて、アイスブレイクとして行うコミュニケーションゲームのご紹介や、生徒の皆さんの演劇創作の様子をご紹介しました。

私たちの行う演劇ワークショップの授業では、劇の自由創作に入る前のワークとして、「椅子のある風景」という劇創作をしばしば行います。

このワークでは、生徒に「完全にフリーで創作をしてもらう」のではなく、

  • ◉イスが2つある
  • ◉最初に①②がイスに座る
  • ◉すると③④が登場
  • ◉①②席を立ち
  • ◉③④イスに座る
  • ◉⑤(⑥)は一度以上登場すること

というルール(制約条件)を示して、「このルールを達成できる劇」を創作してもらいます。

ゼロベースの創作だと、「どこからどう手をつけていいかわからない」ために、創作のハードルは非常に高くなります。

ゼロから立ち上げる活動ではハードルが高すぎるようなら、まずは「椅子のある風景」のように、一定のルールを設定した創作活動を取り入れることも、ひとつの手段です。

小山先生からの「四條畷学園高校のご紹介」では、

探究のゴールは、「進学・就職」ではなく、生徒にとっての「幸せな生き方」を見つけること。そのためにも、生徒たちが、自分にとっての「大事なこと・得意なこと・好きなこと」の重なる「自分の軸」を見つけることが大切。
生徒の「やりたい!」をキーワードに、総合キャリアコース、発展キャリアコース、特別シンガクコースの3コースをデザインしている。

とのお話が非常に印象的でした。

視聴された方のアンケートでは、以下のようなコメントをいただきました。

「生徒にとっての幸せな生き方をゴールに置くこと」や「うまく制約条件をつけること」について言及されており、視聴された皆さんにとっても印象に残るお話だったようでした。

その子の将来の幸せを追求する、させる取組だということを知った。

半世紀前にこの様な授業があれば、自分の人生がどうだったか夢想した。

探究活動を数年間担当しています。今年度試験的に演劇を探究に取り入れてみましたが、手探りでやっていましたのでなかなか難しいものがありました。今回四條畷学園さんの事例を拝見し、短時間でもできるやり方があると知って大変興味を持ちました。

四条畷学園高校の取り組みに興味を持ちましたし、生徒の主体性を育む可能性を感じました。また、生徒の心理的ハードルを取り除いていくようなプロセスにも興味を持ちました。

演劇を創作するときに一定の筋書きを与えて行うことになるほどと思いました。そうすることで、生徒にとってハードルが下がるような気がします。また、授業をする場所が影響することは気づきませんでした。

自分の意見をみんなに受け入れてもらえないかもしれない、という心理を常々感じており、身体、対話を通じて安心して感じたことをそのまま出せる経験をしてもらいたいと思いました。生徒さんというより、先生たちがこうした経験を積んでゆくことの大切さを感じています。

ご登壇いただいた川島先生、小山先生、そして、ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました!