応援メッセージ ー藤川信夫 先生よりー
藤川信夫 先生
大阪大学大学院 人間科学研究科教授
シェイクスピアは、戯曲「お気に召すまま」で登場人物の一人ジェイクィズに「人生はことごとく舞台である」と語らせています。また、アメリカの人類学者・社会学者であるアーヴィング・ゴフマンは、その主著『日常生活における自己呈示』の中でわたしたちが日常的に行っている相互行為を舞台上の芝居にたとえて分析しました。
たしかに、わたしたちは日々様々な舞台に立って即興芝居をしているようなものです。しかも、舞台俳優とは違って、わたしたちには舞台から降りることはほとんどなく、次々と違う舞台に立って芝居をしています。いわば誰もが旅芸人のような人生を送っているわけです。日常生活の中で芝居をするということは、「本当の自分を偽って人を欺いている」という意味で、何か悪いことであるかのように思われるものです。しかし、シェイクスピアやゴフマンが言うように、日常生活そのものが舞台上での芝居なのだとすればどうでしょうか。どうせ演じるならうまい方がよいということにならないでしょうか。たとえば、自分が悲しんでいる、あるいは喜んでいるのであれば、それが微妙なニュアンスを含めて正確に相手に伝わる方がよいのではないでしょうか。
フリンジシアターアソシエーションは、京都市内の学校において多くの子どもたちにアート体験、とくに演劇体験による学びの機会を提供してきました。この学習の機会は、演劇体験を提供するというだけでなく、日常生活においてわたしたちがごく当たり前のこととして行っているパフォーマンスの質を高めることにも役立つものです。きっとそこで得た体験は、友人たちとのコミュニケーションや授業の中での諸活動にもよい影響を与えてくれるはずです。
このような考えからわたしはフリンジシアターアソシエーションのプロジェクトを応援しています。
——
藤川先生、応援メッセージをお寄せいただき、ありがとうございます!
これからも、多くのみなさまから頂戴した応援メッセージや、クラウドファンディングに関連するイベントのご案内など、ページ本文で伝えきれなかったことを、こちらの新着情報を通して発信していきます。
引き続き、私たちのプロジェクトに関心をお寄せいただけますと幸いです。
応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!